■指導者育成から北海道の取り組みまで「中編1」
--指導者養成講習会に参加されている100名というのは北海道以外の方もいらっしゃるんですか。
遠くは韓国から2名。今年も1名来ていましたし、おととしも一名。掲示板を見て講習を受けたいという方や、本来はフィンランドに行きたいという方など。また、本州では神戸の方もいらっしゃいますね。日本でINWAの体系的な事をきちっとやっている団体が非常に少ないです。2002年からINWAからインストラクターを派遣していただいて、私たちも2001年にフィンランドまで行って学んできています。そういう地道な活動がネット上で知られて、どうせ行くなら大滝で受けたい。という方が今年も何名か本州から来てくださいました。
--フィンランドからのコーチ派遣はいつまで続いたんですか?
2002年だけです。大滝からもフィンランドに行って3名習ってきていたという事。そして、ノルディックウォーキングでも大切になってきますが、どのくらいの心拍数が一番脂肪を燃やすことができるか、といった事は、もともと有酸素運動を行っている部外コーチをだいぶ前から招いていました。そういった事から、INWAも大滝でやることについて認めてくれたためです。また、実際に、今のINWA会長も大滝に来て状況視察をしてくださっています。
2001年には大滝のコースをINWA公式コースとして認定していただいた経緯もあり、2001年には120名ほどの参加者で第一回ノルディックウォーキングイベントを開催、指導者養成制度は2002年から、そして、今年は第七回目で約400名の参加者が集まりました。
また、私の知っている範囲では、他のところでもノルディックウォーキングイベントというのを行っていますが、各コースごとに分けたり、ウォームアップやストレッチをきちんとやってくれるところはないのではないかと思います。
あるところでは、ゲレンデのポールを貸してくれたけれども、最後はみんなそれが邪魔になるような歩き方をしていた。というようなことも耳にしています。
私どものところはINWAが求めること以上の質の高さを求めて行こうと思っています。小さな協会ですからどこが特徴をつけるとすれば、やはり質だけなのではないかと思っています。大滝村(現・伊達市大滝区)で3名がフィンランドに行ったのをきっかけに、コースに3キロウッドチップを敷いてくださいまして、現在は6キロコースまでウッドチップを敷いてあるんです。フィンランドとほとんど変わらないノルディックウォーキングの専用コースとして、施設を整備してくれたのも、私たちが活動しやすい理由なのかなと思っています。
今回、指導者養成第一回でインストラクターになった方たちが5年経ちましたので、クリニックが必要となります。また、昨年INWAの方でも指導要綱対応チェックというものをまとめたので、その対応も伝達する必要性もあり、ナショナルコーチの高橋直博さんを迎えて、先週土日と二日間で技術伝達コースとクリニックを終えたばかりです。今回は、私たちが育成したインストラクターを対象に行いましたが、たぶんこれもほとんど他では主催するところはないでしょう。

↑クリニックでのひとこま。高橋ナショナルコーチを囲んで。
--クリニックというのは、一定年数経ったときにメンテナンスのようなものですか。
そうです。ただ、まだ国際ノルディックウォーキング協会(INWA)が公認している団体
が日本にはありませんでした。現在32カ国くらいが国際ノルディックウォーキング協会に 加盟していると思うんですが、いろいろな事柄について、各国で対応できるものと、INWAが直接押さえているものとあります。
日本で当初2002年に開催した時には、インストラクターは5年間有効だということだったものですから、それから5年経ったということで研修をしたのです。その研修のことをクリニックと言っています。
クリニック実施のもうひとつの背景は、フィンランドの方で指導法が改善されたということがあります。というのも、フィンランドではノルディックウォーキングが始まって9年になりますから、その間に運動のリスクが高いものとか、運動をしなければリスクの少ないものとかいろんなことの研究がなされたわけなんです。ですからそんなことの伝達というようなこともありましたので、それをクリニックということで実施しました。
--その高橋さんとはそれまでにも交流があったんでしょうか。
彼は2004年4月に、エクセルのスポーツフィットネス事業部に所属されたんじゃないかと思います。それでちょうど私たちのイベントの中間マネージャーだったんでしょうね。日本の状況調査隊ということでいらしたのが2004年の7月だったと思います。また、彼はロバニエミというところでクロスカントリーの勉強をしていましたが、私はクロスカントリーのことでいろいろな方を知っていましたので、彼が(ロバニエミで)スキーをやっていたことは以前から知っていました。
--高橋さんが講師で今回のクリニックを行ったんですね。クリニックを受けた方は今回何人くらいですか?
今回は17名でした。日本での協会がきちんと設立されていないなど、準備段階で非常に時間がかかったために開催が非常に遅くなった事などもありまして、この人数となりました。
--この方々というのはこの5年間にいろいろところで講習会をしたり指導されたりしていたわけですね。お仕事としては他に本職をお持ちなんですか?
いえ、ほとんど私どもの協会はボランティアで、みんな自分の余暇の時間を利用して行っています。その為、日本のフィットネス協会が行っている講習カリキュラムの指導料や検定料といったのとはかなりの開きがありますね。私たちはボランティアという言葉はあまり好きではありませんが、みなさん無償で講習などをしています。
|